February 27, 2012

取材後記<Part2>

*初めての方はこちらからお読みください。
*モノノートMによる取材後記<Part1>は
こちらから。

* * *


入り口に「味土野山房」と看板を掲げる大益家。


案内されて足を踏み入れた母屋で、真っ先に

私の目に飛び込んできたのは居間にある「木」だった!


“大益さんは、家に木を生やしてる……!!!”


さすが、木工作家だけのことはある、うん、お洒落だ!

なんて感動していたら


「あ、これススですよ。」と大益さん。

「ええええ!!!これが…… スス?」

「そうです、囲炉裏でいぶされたススが、木の油に絡まって上から垂れてきてるんです。」

「へぇ〜!ススってこうなるんですねぇ!面白い!」

無知もときには感動を生むもの(笑)



↓これが例の囲炉裏の上の「木」とハタノさん。

ご覧の通り、木に見えないこともないはず。


大益さんといえば、

前回の「木と紙と土展」の会場でも紹介されていたが、

ガスも水道もなく、新聞も一日遅れ、風呂は五右衛門風呂、

110年以上の藁葺き屋根の家屋に住まう、世間とは逸脱した

山と一体化した暮らしを送っている。


それだけではない。

昔に大工のアルバイトをしていたことから、

工房と物置小屋も自分で建ててしまうし、電線も自分で引いてくるのだ。

家の外には自家栽培の漆があり、1回掻いては3日休ませているそうだ。

残念ながら、今は雪に埋もれいるが。)



さて、取材には来たものの、一体何から聞いていけば良いやら。

とにかく興味深いことが山ほどある!

とりあえず家の中を見渡すと、目に入るのは

沢山の本と、CDと、それからお酒。


聞いたことのない銘柄がいっぱいあるぞ…?



電話は昔懐かしダイヤル式の黒電話。

テレビはアナログ放送終了と同時にビデオ専用再生機になったそうな。




ポスターも沢山貼ってある。嗜好のコレクションも多そう。


しかしここは日中の家の中とはいえ、吐く息は白いし……寒い!

足先からじわじわと体が冷えてくる!

ここに暮らす大益さんがいかに頼もしいか、少しでも伺えるのではないかと思う。


「まぁ、とりあえず一杯どうぞ。」


そう言って、寒がっていた私たちに出してくださったのは、

味土野に流れる山の湧き水で入れたお茶。


湯のみを温めて、急須にもどして…と、

茶道までたしなんでおられる大益さん。


「ありがとうございます!いただきます!」

と、口に入れたとたん、お茶が体に染み渡った。


「なにこれ…?おいしいっ!」

「そうですか?それは良かった。水はねぇ、台所の横にためてて、

湧き水だから冬でも凍らないんですよ。そりゃ、年に一度はタンクを掃除するけどね。」

「へぇ〜!冬でも凍らないなんて不思議ですね。」


「あ、そうそう、大益さん。道中でいろいろ食材買うてきたんよ。

うちら、大益さんちの囲炉裏で鍋しいたいなぁーって。

お昼どないですか?」とハタノさん。


「はっはっはっ!ええ、いいですよ。じゃあ、先に昼にするかぁ。」


<Part3>へつづく


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