March 1, 2012

取材後記<Part5>

*初めての方はこちらからお読みください。
*モノノートMによる取材後記<Part1>はこちらから。

* * *

115日(日)


AM 9:00

ここ数日、大学の課題制作に追われてまともに布団で寝ていなかった

私は、京都府綾部市志賀郷にあるハタノ家の湯たんぽの入った温かい

布団から目を覚ました。



「おはようございます…。」

「よう寝てたね。」と、ハタノさん。

「おはよー!お芋ありがとねー!」と奥様のユキさん。

「あ、すいません、連日ちゃんと寝てなかったもんで…。」



私はてっきりもう朝食をすまされていたと思っていたのだが、

なんと私たちを待っていてくださっていた。

申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちが交差する。


「いただきます!」


ハタノ家の朝食。

けんちん汁に小豆と玄米と炊き込みご飯。

上に写っているのは、長男のフクタくんとハタノさん。


ユキさんの手料理はいつ頂いても体に染み渡るおいしさ!

調理に砂糖は一切使わず、塩をつとめて取ることを心がけているそう。


「あとで楮の畑に案内するし、それまでちょっと待っといて〜」と、

ハタノさんは出かけて行った。ユキさんも用事で出かけて行かれたので、私と大岡とフクタ君はお留守番。




フクタ君は現在4歳の元気いっぱいの男の子。

カメラを向けるとちゃんとポーズもとってくれる。

折り紙をしたり、絵本を読んだりと、とても楽しい時間を過ごさせてもらった。



これがハタノ家の居間。




こちらは応接間。

ご覧の通り、ハタノ家には壁、床、天上、襖、障子などの

至る所にご自身で漉かれた黒谷和紙が貼ってあり、とても趣がある。

昔は空き家だったこの家をリフォームをするのに2年もかかったそうだ。

それだけ、想いと手間がかかっているのだろうと思った。



「日本の家はもともと木と紙と土でできている」と、

ハタノさんがよく口にする言葉だが、

ここはそのモデルハウスと言っていい程、土にかえる素材で構成されている。



「田舎暮らしの良さを伝えるためには、

自分がそこで暮らしてないと説得力がない。」


という言葉が今でも脳裏に焼きついている。




それにしても、ハタノさん遅いなぁ…、どこいかはったんやろう…?

と思いながら、私はハタノさんを探すように家の外へ出て行った。

すると何やらせっせと作業をするハタノさんを発見!



楮の収穫をするハタノさん。楮は和紙の原料になる植物のこと。


「ええっ!ハタノさん…、今何したはるんですか?お手伝いします!」

「これは楮を収穫してて、後で向こうの畑で手伝ってもらうから。あ、じゃあ、とりあえずここの残りだけ、そこに運んでもらえる?」




そう言われて、目の前にあった枝のかたまりのような楮を2,3束、

道路の反対側へ運ぶ。


“お、重い…!!”


「それじゃあ準備もできたし畑へ案内します。車に乗って〜。

と、ハタノさん。


いよいよ取材や〜!と意気込み、私は車に乗り込んだ。


<Part6>へつづく


0 コメント:

Post a Comment