March 4, 2012

取材後記<Part8>

*初めての方はこちらからお読みください。
*モノノートMによる取材後記<Part1>はこちらから。

* * *

123日(月)

13:00


京都駅からJR木津駅で乗り換え、大河原駅までトータル1時間と少し。

今日は京都府南山城村童仙房に住まう陶芸家の清水善行さんの取材に一人でやってきた。

清水さんとは前回の綾部での「木と紙と土展」のとき、少しだけお話ししたほどだった。

来る前にGoogleマップで検索したところ、童仙房はどうも山頂にあるようで、電車の窓から見える木々や町並みを眺めながら、わくわくどきどきしていた。



駅に着いたときには、雲行きがあやしく今にも雨が降り出しそうだった。

私の顔を覚えてくださっているだろうか…?

そんな心配もよそに清水さんとご対面。


「あ、きみか。」

「こんにちは!毛利浄香です、お世話になります。」


駅から童仙房の清水さんのお宅までは車で約10分。

案の定、車は螺旋に近い山道を駆け上がった。

童仙房にまつわるお話や、雑談をしているうちにあっという間に着いてしまった。


清水家に到着。



さすが、陶芸家だけに家の前に焼き物がたくさん!
どうやらこれはボツのものではないらしい。
土とともにある器は、ここならではの趣きだ。



「こんにちは〜、いらっしゃい〜」

玄関で温かく出迎えてくださったのは、奥様ののばらさん。

「お久しぶりです、今日はお世話になります!」


そう言ってお邪魔させてもらった最初の印象は、お洒落!

台所にはお料理で使われる食材が沢山ビンに入れられていたり、

丁寧に使いこなされた家の様子が、私にはたまらなかった!


そうして居間へ案内してくださり、お茶と甘味の果物を頂いた。

写真はお手拭きとグレープフルーツ。とてもやさしい味だった。

お皿はもちろん清水さんの作品だ。



さて、何からお聞きすれば良いのやら…。

またこの展開に思考が陥りかけたが、3回目ともあれば慣れてくるもの!

童仙房のことからお聞きすることにした。



清水「童仙房って、焼き物をやってる人なら誰でも一回は聞いたことのある有名な名前で、『道具土』として知られています。」

毛利「道具土とは…?」

清水「窯焚きの時に、台と焼き物をつないだり、うわ薬の付着止めなどに使うものです。実は、市販で販売されてる『童仙房土』は隣村から採れたものですが、ここは地理的に山の向こうにある信楽とも近いので、土は豊富な方ですね。」

毛利「それでは土にも色々な層がありますが、焼き物にはどこの層を使われているんですか?」

清水「粘土質です。あと磁土っていう石の粉も使います。」

毛利「それじゃあ童仙房で採れる土は、粘土質が多いんですね!」

清水「はい。でも、いつもここの土が使えるわけではなくて、工事などで土が掘りかえされたときに友人から連絡をもらったりして『清水さん、今良い土ありますよ!』って。『じゃあ、触りに行くから抑えといて』という風に、土を触りに行きます。」

毛利「もうみなさん、清水さんがを土を欲しがるのを分かってはるんですね(笑)」

清水「そうですね、有難いことに。それから石や木の根をどける作業が必要で、全部手作業でやっています。」



清水「あと童仙房は宇治茶の生産地の一つで、茶畑も沢山ありますよ。市販で売ってるお茶なんて、ここで採れたお茶が全体の約20%入ってれば、それでブランドが付くんですよ。」

毛利「あ〜、そういう戦略があるんですねぇ…。」

清水「ちなみにうちの横にも茶畑ありますよ。」

毛利「え、じゃあお茶の匂いが漂ってくるんですか?」(真面目)

清水「…いやぁ、しないなぁ(笑)お茶は煎った時とかに香るんじゃないですか?」

毛利「あぁ!ですよね!!いや〜すいません、無知なもんで。あははは〜(笑)」


これが清水さんの家の横にある茶畑。右下にわんちゃんの背中が少し写っている。



そのわんちゃんがこちら。

シャッターの加減か、右目が赤く光っている。
茶畑が後ろにあるだけに、スーパーな匂いがするぞ!

(?)

Part9につづく


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